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時空警察調査団第1章17節(修正版)

<前回までのあらすじ>


時空警察調査団に所属するトーマス(仮名)とナップル(仮名)。

トーマスはキャバレーNO.1ホステスに誘われ、深夜彼女の部屋へ行くことに。
娘役であるナップルはおかんむりだが、細かいことは気にしない。

これも任務だからね。





「お待たせして。こちらをお使いになって」
 戻ってきたアオイが手渡したものはこんどこそきっちり絞られたタオルだった。
「ほんとに申し訳ないことをわたし。どうぞゆっくりなさってっ……て、これでは全然ゆっくりできませんわよね」



 トーマスがぼーっと突っ立っている理由に気づき、アオイは椅子とテーブルに積まれた書籍と紙とペンをぽんぽんとベッドに投げ始めた。おそらく片付けているつもりなのだろう。


 その様子にトーマスは微笑んだ。ああ、かわいらしい人だと思った。
 この人は本来、キャバレーで働く人ではないのだろう。舞台で歌い、女性であることを武器に舞う姿は魅力的だが、彼女は静かに生きることを望む人間であろう。昔の自分と同じように。


「まさか本当に来ていただけるとは思わなくてお誘いはしましたけどでもそれでさっきまで頑張って片付けていたんですが間に合わなくてなんだかお見苦しいところを沢山見セテシマッテワタシ」
「息継ぎしてくださいね。で、お気になさらないでください。俺、いろんなことに無頓着ですし、人のこと言えませんから。ナップルにいつも叱られています」
 くすっとアオイは笑った。
「お嬢さんにも来ていただきたかったんですけれど、時間が時間ですし……。よろしかったの? ナップルちゃんを置いてきてしまって」
「ああ、なんか暴れてましたけど大丈夫です。コバさんのホテルですからセキュリティだって安心でしょ」
「暴れ……」
「いつものことです。暴れん坊なんです」
 こんなこと言ったと知れたらナップルは一層荒れるるだろうがまあいい。



 アオイに促されて席につく。何か飲み物でも、とアオイはごそごそとキッチンからコップとデキャンタを持ってきた。デキャンタの中身はうすいオレンジがかった明るい色の飲み物だった。
「軽いアルコールなんですけれど構いませんかしら」
 コップに注がれるとオレンジがかっていた飲み物は淡くグリーンに光った。
「これは……?」
「大学を出たときにコバが……贈ってくれました。ギルア山脈のサックスベルクに伝わる飲料で、ドスペラカという植物を発酵させて作るのだそうです。緑色で高さはこのくらい……膝くらいかしら? で、金色の毛が生えている草だとか。特別な時に飲む極めて希少なものなんですって」
 二つのグラス、一つをトーマスにもう一つは自分に。
「いいんですか、そんな大切なものを」
「ええ。実はどんなものなのかこわくて今まで飲めなかったんです」
 そういって困ったようにアオイは笑った。
「わたしお友達少ないですし、ひとりで挑戦するにはこれは勇気がいりますもの」



 2人で乾杯、緑色の液体を口に含む。ほんのり甘く、かすかに青草のにおいがする。咽喉を通過する際にはのっぺりと張り付いて複雑な気分にさせられた。



「……これは」
 アオイが複雑な表情をみせた。
「まあ儀礼的な酒や食物なんてこんなもんじゃないですかね」
「ああ……こんなものをお出しして申し訳ありませんでした。もう、ほんっと重ね重ね」
 とてつもなく落ち込んだ顔のアオイを励ますつもりでトーマスは語りかけた。
「ゴード・ゴーダー・チーズとだったら合うと思いますよ」
 はっとしたようにアオイは顔を上げた。
「単体で飲むから不思議な味に思えるだけですよ。そのなんとか山脈あたりの人々もおそらくドーディとかそんなのと一緒に飲んでいるんじゃないでしょうか」
「あ……そうですね。そうですよね! でもうちにチーズないわ」
 そしてまたドーンと落ち込む。なんとまあわかりやすい人だろうか。
「俺は」
 もう一口、謎の味がする酒を飲みながらトーマスは言った。
「お酒を飲みに来たわけでも食事に誘われたわけでもなく、あなたとお話するために来たのですから」
 グラスを捧げて。
「むしろ酒が肴ってことでいいんじゃないですか、うん」




なんと連続更新でまいりましたよ。




では次回!



「時空警察調査団」 第18回につづく!


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sugar(佐藤)です。最近お絵かきに目覚めました字書きです。ピクシブ始めました。http://pixiv.me/khronos442_satoh

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