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時空警察調査団14(修正版)

<前回までのあらすじ>


時空警察調査団に所属するトーマス(仮名)とナップル(仮名)。
のんびりしているようで実は重労働なのだよ。ハードワークなんだよ。
貧乏性で働き者の2人なんだ、こいつら。
キャバレー通いしてるけどな!




 数日間、調査団の2人はキャバレー通いの生活を繰り返していた。

 朝食をすませたらホテルを出発、街をそして地表の様々な土地をまわった。夕方、夜になるとホテルに戻りコバのキャバレーへ。


 ニコニコといつも機嫌よく愛想のよい青年と時折ムスっと彼に蹴りをいれている美少女は、誰がみても仲良し親子か兄妹に見えた。


 キャバレーから戻ったあと、いつも青年は娘役であるナップルに「休んでいいよ」と声をかける。


 彼女は意地っ張りの負けず嫌いなため、トーマス青年が深夜まで調査レポートの確認と報告を続けているのを横に床に就くのが癪でたまらないのだ。
 まだ子供の体であるため、日中の行動だけでくたくたのはずなのに。挙句トーマスにもたれてぐっすりなんてことになる羽目になったりして、朝目覚めて「アアアアアア!」と叫んだりなかなか賑やかな少女だ。


 何度こんなことを繰り返してもトーマスが文句をいうことはなく、いつも黙ってナップルをベッドまで運んでくれる。朝になって顔をあわせてもいつも通り「おはよう」と微笑んでいる。


 そういえばナップルはトーマスが怒っている姿をみたことがない。お行儀が悪いです!とたしなめられたり、町でヤクザな連中にからまれ、少し困った表情を見せることはあるけれど。本気で何かに怒りを覚えている姿は想像つかない。仕事柄理不尽な出来事に、限りなく出くわしているにもかかわらず。


 大人なのか能天気なのか、そういった点は時空警察学校の校長によく似ていると思う。物事に反応はするが動揺しない。自分もそれほど動揺するタイプでないが、喜怒哀楽はちょっと激しいかもと自覚している。いや多分これが普通の反応なんだろうが、トーマスなんて個体が目の前にあるとちょっぴり反省しないといけないかなあ、なんて悔しいけれどチョト思う。


 いつか大人になれば、あんな風になれるのだろうか。


 ナップルは時が止まったも同然の時空警察が存在する空間の住人だけれど。それでもほんの少しずつ年はとる。大人へと向かっている。子供じみたこの体もいつか女性らしくなっていくのだろう。気の遠くなるような遠い先の事だろうが、いつの日か。


20100207.jpg



「まだこのレスポンスと向こうからデータ戻ってくるのを整理しないといけないから、ナップルちゃんは先に休んでいていいよ」
 いつものようにトーマスが言う。
「子ども扱いしないで」
「女の子はちゃんと寝ないとお肌が荒れるってチェリーが言ってた」
「シェリーだってば」
 なんだってこいつは校長のことを毎度毎度チェリーって言うんだろう。校長自身はシェリーの方がなんかおしゃれだから好きなのって言ってるのに。赤や青のサクランボが大好きだからなんだそうだ。


「んー、じゃあこれとこれ目を通して72個前のレポートのとこにつっこんどいて。それから31個前とこれから転送するのとぶつけて差分データとってくれる? 今日はそれで休むことにしよう」
「任せろ」
 手渡されたパッドを叩くと目の前に数十枚に及ぶ立体画面が表示された。これら全てがいわばパソコンでいうモニターであり、各画面の裏には膨大な量のデータが隠れているわけだ。ナップルは正直ちょっとまて、この量はパネェと焦った。しかし弱みをみせるわけにはいかない。やってやろうじゃないの!と姿勢を正す。


 パッド内データはこの星の時系列、この場合ある時空間で「何か」が起こったときのシミュレーションが数十ごとににまとめられている。あらゆるパターンを調査するのが彼らの役目だからだ。


 今回は全宇宙で原因である場所だけは特定されているので(勿論あのキャバレーが建っている場所だ)かなり楽なはず。しかもコバが関わっていることまでわかっている。あと一歩なのだ。


 現地調査を託されているのは信頼されているから。トーマスとナップルの2人なら大丈夫だと本部が判断したから。
 期待にはこたえなくてはいけない。絶対に。


 この宇宙が破綻しないために。


 歪みを抑えるため、他の時空間でどれほどの隊員が必死で伝播を防いでいるのかを知っている。
 昔自分達が存在していた世界のために。
 仲間たちが存在していた愛しい時空間のために。


 ナップルは淡々と作業をこなそう、ととりかかって驚いた。
 とっちらかっているはずのデータがきれいに整頓されていたのだ。確かにこれなら負担なく処理できる。
 急ぎデータが多いので本部の「しーちゃん」は上がってきた記録をそのままこちらに送っているはずで、確認作業は2人の仕事だ。しかし大枠はすでに出来上がっている。
 ナップルはトーマスを振り返った。


 彼がしたことだ。


 この短時間で、これだけの量を正確に分類している。トーマスは能天気な軽い男だが能力はある。かなりある。それを知っているのに驚きはかくせない。調査団に選ばれるのは隊員の中でも特出した知恵と才能が必要で、ナップルはその調査団の中で成績はかなり上位だ。その彼女が舌を巻く、驚愕の能力を持っているのが、目の前のへらへら男ってのが納得行かない。



「あ、ごめん。すごい量押し付けちゃったかも。大変だったら俺やっとく無理しなくていいよ」
 ジロリとトーマスを睨めつける。いちいちカンに障るやつめ!
「ごめん……」
 すごすごと引き下がるトーマス。よろしい。


 様々な数値やレポートをみるにつけ、「惜しいところまできているけれど、肝心のモノには触れられていない」ことがわかる。あと何かが足りないんだ。
 何か、きっかけさえあれば。


 事はコバをとりまくなにかなんだ。現時点で彼を死なせてはならないことはわかっている。彼の死によって歪みが極端に広がってしまうことはシミュレーション結果から見て取れる。
 それだけではだめなんだ。
 手が届きそうで届かない。なんてはがゆいのだろう。


 2人の夜は更けてゆく。






でもまたすぐナップルは寝てしまうんだろうね。

そしてトーマスはお姫様抱っこで部屋を連れて行く羽目になるのだけど、本当に気にしていないみたい。
ナップルが必死についてきているのを知ってるからね。

行き過ぎた彼の処理能力に。




ちっちゃい子が一生懸命になってる姿って



なんか切ないね。


「時空警察調査団」 第15回につづくよん!


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sugar(佐藤)です。最近お絵かきに目覚めました字書きです。ピクシブ始めました。http://pixiv.me/khronos442_satoh

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