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時空警察調査団13(修正版)

<前回までのあらすじ>


時空警察調査団に所属するトーマス(仮名)とナップル(仮名)。
ちょっとずつ連載のため、一向に調査が進んでいないようにみえるが多分大丈夫。
彼らが調査を完了しないことには迷惑蒙る人々が増える一方。
こう見えて二人はがんばっているのだ。





 ナップルは以前、他チームに属していた。調査団としてはごく一般的な、5人編成のチームで淡々と職務をこなしていた。


 トーマスと組むことになったのは、警察学校の校長の依頼による。

 ナップルも大部分の隊員同様、時空警察学校の出身である。校長は多少変なところはあるが、尊敬に値する人物だ。異論は認めるけども。
 ある時ボスに呼び出されて作戦室へ出向くと、くるくる金髪縦ロールな校長がいた。
 横にはチームのボスが気まずそうに立っている。
「久しぶり! 元気そうね!」
 にっこり微笑む校長……、シェリーに「今日ちょっと頬紅濃いですよ」とも言えず、ナップルは直立不動のまま最敬礼した。
 そしてボスはいつもどおりに命令を下した。それはナップルの意表をついた。仕事を課すものでなく、異動命令だったのだ。


 驚きのあまりえええええええ!?と声にだしそうになったが、ボスクラス同士の話し合いで決定したことに異議を唱える気は毛頭ない。
 イヤデス、なんて言っても却下されるだけだし、そもそも逆らうつもりもない。彼女自身異動ははじめての経験だが、状況によって配置が変わるなんてここでは日常茶飯の出来事だ。現に彼女の周りではそれなりの頻度で人が入れ替わっている。
 のんきにボスの横でお茶をすすっているシェリーは、暇だからという理由で自分の送迎役を引き受けてくれたらしい。なんと恐れ多い。というか……暇なの? 校長って?
「というより手の空いているものが彼しかいなかったんだ」
 それを暇というのではないのか。
「女の子の送り迎えならいつでもOKだわよ、私は」
 ああこの人、女の子至上主義でした、そうでした。校長は女の子大好きな少女趣味のマッチョな美丈夫さんでしたね。うっかりしていました。ナップル反省。

 そんなこんなで引き合わされたのが


ただいま親という設定の男、トーマスだった。


 チームメンバーはこの部屋にいるから。じゃあね、と校長にシャトルで別基地まで連れられいきなり放置された。
「彼、君とは合うと思うわよ。うん」
 とかシェリーは言っていたが、さすがに放置は心細い。
 なんと無責任な、いやいや、でもなんだかんだで校長も忙しいはずだから仕方ないのかなぁ、などと思いながらナップルはドア横のタッチパネルに触れた。中では呼び出し音がひびいているはずだ。

 間をおくことな扉は音もなく開いた。ナップルは意を決して足を踏み入れた。

 そこにいたのは背がすらりと高く、一見華奢な優男。ちらりと横目でナップルを見る。


 そう、彼女を見たのだ。一瞬目があった、それだけだったのだ。



20100131.jpg


 
 途端、ナップルは動けなくなった。
 理由は今でもわからない。初対面の人間に対する緊張だったのだろうか、それとも恐怖だったのか。おそらく「何か」が圧倒的であったのだと思う。まだほんの少女の、人生経験の浅い彼女には理解しがたい何かが。
 一番近い表現で言えば、それは「威圧感」
 指1本動かせないほどの。



 2人の沈黙を破ったのはトーマスの方だった。
「やあ!」
 右手を軽く上げて陽気にそう言った。



 緊張は解けた。


 トーマスと2人で1つのチームだと聞かされたときは心底驚いた。まれに3人、4人編成のチームはあるが一時的なもので、すぐに人員が補充される。2名で完成するチームなど他にあるのだろうか。彼に言わせれば「優秀すぎるから2名で十分!」なのだそうだ。
 確かにそうだった。相性が良いのか、たった2人にもかかわらず、実に効率よく極めて高い精度で調査を完了している。常に最も確実、かつ効率的に歪んだ時空間を正すポイントを発見しつづけているのだ。過去に1度の失敗もない。恐ろしいほどの成績である。



「いやあ、ナナミさんこそぉ。今夜は楽しいなあ。あ、テディアさんこんばんは!」
 キャバレーの一角でご陽気にはしゃいでる男。その様子をあきれ果てた目で見つめる美少女。
 これが時空警察でトップクラスの調査チームだ。見た目はともかく。


「いいかげんにしなよ、きれいなお姉さんとみれば片端から! ほんとごめんなさいほんとすみません」
「あらいいのよ。トーマスさんって楽しい方だわ。すっごくあたし好み。お会いできて本当に光栄!」
「でしょー? 俺もそう思います。人生なんてどれだけ楽しめるかで価値が決まるんですから、気の合うもの同士とことん楽しまなきゃあ勿体無いですよぅ」
「いいことおっしゃる。その通りですわ。いかに楽しく有意義に! そのために人は生きているのですものね」
「というわけで今晩仕事を終えられたらどうです? 俺とちょっと」
 ドスッという音がきこえた。トーマスの腹にナップルの正拳が入ったのだ。
「ウガッ」
「ふざけんなバカ。アオイさんの舞台がはじまるよ」
「いや、ナップルちゃん、手、手がめりこんで…ちょっと手が……おなか痛い」
「もう一発くらいたいかコラ」
 なんだってこいつは美女とみれば手当たり次第なんだろう。アオイさんがお目当てではなかったのがこのバカが。
 華やかな音楽が響きはじめた。暗かった正面舞台に光がともる。
 中央に姿勢を低くしているアオイ。周りに何人もの踊り子を控えさせ。
 ストリングスの音が大きくなってくる。そしてひときわ大きくドラムの音が響き



 アオイのステージがはじまる。





 ここはキャバレー。華やかで文化的な世界。
 虚実交わるつかのま夢の世界。

 夢は夢のまま終わるもの。



 それが現実。


 故に今だけ、あとほんの少しだけ



 夢をみさせて。






「時空警察調査団」 第14回につづくのだ!


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sugar(佐藤)です。最近お絵かきに目覚めました字書きです。ピクシブ始めました。http://pixiv.me/khronos442_satoh

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