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時空警察調査団6(修正版)

<前回までのあらすじ>


時空警察内、調査団に所属するトーマス(仮名)とナップル(仮名)。
シャトル助けた急病人は惑星「センティオン」での有名キャバレーオーナー。
お礼にとキャバレーに招待されたので、まあ折角だしとレッツゴー。



第6回


あらゆる時と空間を司る、絶対者。
時空警察。

永遠と時をめぐる彼らにも休息は必要。多分。
遊ぶことも必要。多分。


羽目ははずさない程度には、多分。









「なんっつーか、サイアクの親」
 
 ナップル自身に親はいない。そういうシステムの中、生まれたのをこれほど有難いと思ったことはない。親子というシステムで存在する種族は苦労していそうだ。それもトーマスのごとき親ならばたまったものではなかろう。

 いや、子も同じような性格だったらいいのかな? ああ、いや周りの者が大変だ。アレが二人なんてとんでもないぞ。
 

 ナップルはポシェットをぽんとたたいた。


 VTOLからハイヤーに乗り換え、町並みをすすむ。日が翳ってゆくにしたがってネオンが輝きを増してゆく。なんと賑やかで生き生きとした街なのだろう。欲望と愛憎が入り混じった光。涙も笑顔も屈辱も喜びも栄華も全てがあふれ、混沌とした世界。
 行き交う人々の目がなんと生き生きとしていることか! 


「ナップルちゃん、ごらんよ。みんな楽しそうだねえ」

 トーマスの言葉にお前が一番楽しそうだよ

 と目で答え、ナップルは窓の外を眺める。
 もちろんこれは大都市の表の顔だろう。それは承知しているがそれにしても。
 これがコバの力なのだろうか。街の光を生み出した中心に彼がいるのは間違いない。
 彼がこの街を回している経済の中心。

 
 あのとき「この男を死なせてはならない」と感じたのはそのためだろうか。


 そして今、近づいているのを感じる。

 時空の歪み。その根源に。
 正さねばならないその場所に。


 どんどん、どんどん、どんどんと。



「時空警察調査団」
 時空のひずみを正し、全宇宙の安寧のために存在する組織。
 その歪の根源を調査・発見・確認することが調査団のお仕事である。

 組織の担当部署が歪みを発見し、調査団を派遣。
 時間と場所、人物やモノ・事件を確定すると次に機動隊が派遣され全てが修正される。
 
 なぜなら歴史はたった一つしか存在しえないため。ささくれ程度、些細な分岐はやがて消滅するので多少の「ゆらぎ」は無視して構わない。それが「ひずみ」となると全時空に影響を及ぼす可能性がでてくる。面倒な枝葉は片端から切り落とさねばならないのだ。可及的かつ速やかに。


 「ひずみ」はすぐそこにある。
 ナップルと、おそらくはトーマスも感じているに違いない。
 この街のどこかにきっと、「原因」があるのだ。



「こちらでございます」

 コバがそう言うとともに、ハイヤーはゆるやかに停車した。

 到着した場所は大理石と金でできた建物の前だった。華美ともいえるネオンが目にまぶしい。まるで昼間のようだ。
 表から見る限り、中央の扉をはさみ壁は両側に50メートル弱はのび、高さは50メートルはあろう。化物や植物がそこかしこに彫られ荘厳かつ重厚な趣向が凝らされている。人以外の何かの住まわっている場所にも感じられる。神々の遊び場と聞かされても違和感はないだろう。正面の巨大な扉には数人のボウイ。笑顔で入ってゆく客らしき人々。皆しっかりした身なりだ。


『キャバレー』         


 享楽と悦楽と文化と才能と。そこは全ての集まる場所だ。
 それを象徴するような調度品。磨き上げられた床、見事な彫刻が施された巨大な柱。
 ナップルたちはしばらく呆然とこの巨大な建築物を見つめていた。
 と思いきや荘厳とは打って変わった陽気なテンションで二人は会話を交わし始めた。
「うわーなんというか、チェリーがみたら喜びそうなとこだねえ」
「チェリー?」
「あ、校長」
「シェリーね」
 時空警察アカデミーの校長の自称シェリー・ニシキのことである。大層ガタイがよく超絶美人な男であるがオカマである。美しいものと女子(老若男女問わず)が大好きで、自室は花とバラとフリルとリボンであふれている一種独特の趣味を持っているのだ。


 女子が好きといってもトーマスの女好きとは意味がちがう。
「彼がここに来たらうかれるね」「はしゃぐね」「飛び跳ねるね」「絶対ここ欲しい、買う、経費でとか言うね」
 そして二人は真剣に顔を見合わせた。
「ここに来たことは内緒にしよう」



 広く豪奢なロビーを抜け、二人は奥へ奥へと案内されていく。先導するのがオーナーであるコバであるため、ボウイは緊張の面持ちで挨拶をする。後ろをひょこひょこ付いていく親子設定デコボココンビは、肩をすくめて小さくなっていた。


 なにやらよくわからない(が、すばらしく芸術的だということだけはわかる)彫刻群を抜け、巨大な金色の扉を開いたその先は


 筆舌尽くしがたい魅惑の空間であった。





 魅惑の空間で惑わされた人々のゆらぎ?

 それともこの空間そのものがひずみ?


 太ったこの男の存在が宇宙を混乱と破滅へと導くのか?



 時空警察はあらゆる手段でひずみを正すだろう。
 原因と結果が相違ないように。


 人々の想いなど、意にも介すことなく。
 調査団の想いすら。



 世界ってなんて残酷。





「時空警察調査団」 第7回につづくにょ

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sugar(佐藤)です。最近お絵かきに目覚めました字書きです。ピクシブ始めました。http://pixiv.me/khronos442_satoh

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